「親と過ごす楽しそうな子供達の姿。東京の上野公園でいつも見られる光景です。しかしこの公園、終戦直後、親を失った多くの『戦争孤児たち』が過ごした場所でもあります。NHKに残っている映像にも、その日を生きるのに必死だった子供達の姿が記録されていました。東京大空襲から68年。今回は知られざる戦争孤児の真実を見つめます。」
昭和20年3月10日の東京大空襲。一夜で市民10万人が命を失いました。
その後空襲は全国に広がり、激しさを増します。
親を失った、戦争孤児は、12万人を超えました。
彼らはその後、どう生きたのか?
孤児たちは自らの体験をほとんど話してこなかったため、その実像は分からないままでした。
しかし今、多くの孤児が80代にさしかかる中で、当時の実態を埋もれさせてはいけないと、各地で語り始めています。
「食べるものがない。誰かにもらいにいってもくれない。人から盗んで食べなければ生きられなかったそれが私たち、戦争孤児。」
孤児自身が、多くの孤児の話を聞き取りし、絵で残そうとする取り組みも、始まっています。
「せめて命のあるうちに自分たちの体験を残したい。」
証言から浮かび上がってきたのはあまりにも厳しかった現実。深い悲しみ。
「戦争孤児の人たちは、戦が終わってから本当の戦争が始まったと戦後そのものが、生きるための戦争だと。」
戦後68年たち、過酷な体験を告白し始めた戦争孤児たち。子どもたちが生きてきた、真実の記録です。